一焼き、二焼き、三も焼き。やきものは焼きが大事!同じ粘土、同じ釉、でも焼く場所が異なると発色が違う。

「美」とは人間が作り出せるものではなく、自然から引き出すものだと思っています。したがって原材料探しに重点を置いています。もちろん技術も大事ですが、原料を発見することはもっと大事ではないか、そう思います。

またこの原料探しは実に面白く「推理小説」と「冒険小説」を兼ね合わせた面白さがあります。地名の由来から風景、土石を想像、推理し、地図を見ながら半砂漠地帯を駆け巡る(?)からです。地名では特にインディオの人たちが付けた名前が手がかりになります。何故なら風景から名前を採ったと思われるからです。

窯焚き 窯焚き

窯焚き風景です。 酸化、還元を考えずに焼くようにしています。とカッコよく言いましたが、本当はわからないですね。湿度によっても変わるし、薪によっても変わるし、また窯詰めの具合によっても変わるので「わからない」と言うのが、本当のところです。

エプジェンの石 エプジェンの石を使った作品

エプジェンという村の手前で見つけた石です。普段だったら通り過ぎている国道40号線(Ruta40)沿いの小川を日本から来てくれた方を案内している時に偶然見つけました。この石達を見つけた時は実に嬉しかったです。多分赤く発色するだろうと思っていたら、案の定釉薬にして焼いてみたら赤い発色が得られました。

ネコ型花入れ 福時

猫型花入れです。モデルは「福時」クンです。大人しい雄猫で喧嘩をしません。実に良い猫です。

火山砂 火山砂を使った作品

火山砂です。エスケル近くのロスアレルセ国立公園(Parque Nacional Los Alerces)の「手前」で見つけました。(この国立公園内にはもっとたくさんあるのですが、採取禁止です。)粉にして熔媒材を加え、器にかけて焼くと奇麗な色が出てきました。マジン村の粘土と相性が良いみたいで、ポッテリとした釉調になりました。


土石を焼く

パタゴニアの土石を焼くとどうなるか? ほとんどの土は約1080℃で溶けます。 石は少し溶けるもの、割れるもの、また変化が全くないものと、一概には言えません。

ちなみに釘はどうなるか? 銅釘は消えてなくなります。無くなりますが、後ろの作品に赤い斑点が付き、銅釘があったところは粘土がブクブクになっていました。鉄釘は残り、少し曲がります。

何故そんなことをするかというと、何かを作る時に身近に有るものから始めるのが一番楽で、当たり前のことに思えたからです。
やきものはパタゴニアに来てから始めました。まあ言ってみれば素人です。ただ、素人が故にやきものに素直に向かえたと思っています。書物からやきものに入らず、実践から入りました。特に窯作り、窯焚きは何度も何度もやりました。その結果粘土やレンガは買わないで、自分たちで見つけ、作った方が良いと思うようになりました。手間暇はかかっても、面白いことに気づきました。

結局やきものも実は「自然に還る」のが一番良い道ではないかと思っています。

土石を溶かす

土石を探してあちらこちらへ行きます。片道200kmという時もありました。何故かわかりませんが、非常に面白いのです。

地名から土を推測したり、地図に載っている鉱山を探し訪ねたり、今まで見えなかったものが見えてくる面白さとでも言うのでしょうか。また白い層を見つけたりすると、やはり非常に嬉しい。 材料を購入してしまえば楽なのですが、この楽しさを捨てることは出来ず、ついつい乾燥地帯に足を向けます。

今は鞴が手に入ったので、炉を作り土石を溶かす準備をしています。もうすぐ炉が完成するので楽しみです。


炉

実験中の炉


鞴を使うと炎があがり、なかなか調子は良かったのですが、上手く石を溶かすことは出来ませんでした。下の写真を見て下さい。

くっ付いた石 エプジェンの緑石とペリートモレノ岳の赤黒い石がくっ付いた写真。
もう少し大きかったのですが取り出すときに落っことして、折れてしまいました。

この結果から即断は出来ませんが、もしかしたらこの石は1080度よりも低い温度で溶けるのかもしれません。乾燥が激しく山火事の危険があるので、しばらく実験は出来ませんが、これは面白くなってきました。


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