絶学無憂無駄話2

学:日本にだってあるだろう、そんな石。

無:知らないけど、多分ないね。粘土になっちゃったんだよ、きっと。石が分解すると砂。粘土になるには「発酵」しないといけない。パタゴニアは今その最中かな。だから面白い。

学:へえー。そうなんだ、知らなかったよ。

無:僕も知らなかったけど、粘土を掘ってると、良く見るんだ石が変化しているところを。多分花崗岩だと思うけど、粘性がある土を掘っていると実に良く出会うよ。

学:所謂御影石ね。石英、雲母、長石などから出来ている。

無:よく知ってるなあ。でもその「など」って言うのが良いよね。ハッキリとは言えないんだよね。99.9%分析出来ても最後がわからない。だから面白い。例えば釉なんかもさ、自分で探すと面白いんだよね。何色が出てくるか、全くわかんないよ。

学:それは未熟だからだろう!

無:それもある。でもそれだけじゃないね。

学:(無言)

無:最後の0.1%が大体「肝」なんだな。分析すると分かったような気持ちになるけど、実際は何も分かってないよね。石や粘土もさあ、焼いてみないとわからないんだよ。しかも焼きによって変化しちゃうから困るんだけど、それがまた面白い。

学:そんなのどこが面白いんだい?

無:つまりさあ、やってみないとわからないんだよ。例えばさあ、また古代文明に戻るけど、良く言うじゃない「エジプトはナイルの賜物」って。どういう意味だい?

学:そんなことも知らないのかい?

無:いいからどういう意味か、教えてよ。

学:ナイル川が毎年のように氾濫して肥沃な土を下流に運んでエジプトが栄えたという意味だと思うけど。

無:そこがおかしいよね。だってさ、たとえ「毎年」じゃなくても川が氾濫するような所で農業したくないよね。それにさあ、「肥沃な土」が上流から来たなら何故上流に住まなかったのかな?わざわざ氾濫する肥沃でもない所に住むより良いんじゃないの?つまりさあ、この言葉を吐いた人が誰だかしらないけど、農業したことないと思うよ。経験しないで、頭だけで考えたんだよ、きっと。

学:でも下流に住まなくてはいけない何か理由があったのかもしれないよ。

無:そうかなあ・・・パタゴニアの乾燥地帯へ行ってみて思ったけど、乾燥地帯ってさあ、夏は暑くて旱魃。冬は寒くて洪水なんだよね。住みにくいと思うけどな。第一食糧がないよね。パタゴニアの乾燥地帯の主食は「羊」だね。以前はどうか知らないけど、今は羊だよ。

学:何故そんなことが言えるのさ?麦からパンを作っているかもしれないだろう?

無:多分無理だね。僕が見た範囲では羊か山羊だよ。乾燥地帯では家庭菜園なんか出来ないんだよ。水をやったら多分塩が上がってくるだろうね。

学:塩と言えば凄いんだってね、今ネウケン州も!

無:そう。1993年にネウケン州に行った時、塩はなかった。でも今回用事があって通ったら、驚いたね。あっちでもこっちでも塩だらけ。1992年にメンドーサ州に行った時も塩を見たけど、怖いね。作物が出来なくなるよね。

学:南下しているんだね。でもどうしてそんなに塩が出るの?

無:わかんないけど、人間が関係していると思うな。

学:また耕してるからかい?

無:違うよ、焼畑だよ。ネウケン州もメンドーサ州も乾燥はしてるけど、乾燥地帯じゃないよね。少なくともパタゴニアの乾燥地帯よりは緑があるよ。でもネウケン州の果樹園の脇がもう塩だらけ。塩が出てる所はみな燃やした跡があったよ。


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