絶学無憂無駄話9
学:それはやっぱり「千年の木が一本」だろう? 無:多分そうだろうね。アルゼンチンの「ロスアレルセ国立公園」の中に『お祖父さん(El Abuelo=エル アブエロ)樹高=57m 樹径=2.2m』と呼ばれる木があるけど、樹齢約2,600年と言われてるね。 学:凄いじゃん! 無:でもチリ側には3,625年の木が生きてるんだよね。 学:見たの? 無:アルゼンチンの方は見てないけど、チリの方は見たよ。 |
学:どうだった? 無:迫力が凄くて見ただけで、頭が下がっちゃったよ。 学:そんなに凄いんだ。 無:でも一緒に行った地元の人たちは平気だったのには驚いた。でもある意味では仕方ないと思ったよ。 学:どうして? 無:こっちでは木を土足で踏んでも平気だからね、驚いちゃうよ。 |
学:そう言えば家が板の間でもこっちでは土足だね。でもそれと木に対する態度が関係するの? 無:親父の手伝いで現場によく行ったけど、木は土足では絶対踏まないんだよね。初めの頃はこちらの家に招待されると、靴を脱いでたよ。 学:『郷に入ったら郷に従え』と言うよ。 無:そう、最近では土足で入るようにしたんだ。靴下が汚れちゃうしね。 学:どうやらそれと木に対する態度は関係してそうだね。 無:当然関係するよね。ちなみにこちらでは手の道具はあまり流行らない。 |
学:へーえ、そうなんだ。どうして? 無:効率だろうね。ここで一番使われる道具は何と言ってもチェーンソーだね。鋸を使っている人を見たことないよ。 学:でもチェーンソーの方が断然仕事が早いから当然じゃないか! 無:仕事は早ければ良いってもんじゃないよ。キッチリしないとね。例えばチェーンソーで切った切り口と鋸で挽いた切り口を比べて見なよ、全く違うよ。 学:それそうだね。でも早い方が良いんじゃない? 無:木を土足で踏むならそれでも良いだろうけどね。それにこちらでは木は組んで使わない。釘やビスあるいは接着剤で留めるね。これは大きな違いだよ。 |
学:確かに道具箱に鑿がそのまま放り込まれているのには驚いたよ、僕も。 無:そうだろう!もっと凄いのは「大工(carpintero=カルピンテーロ)」で鑿も鉋も持ってない人もいるからね。 学:どうやって仕事するの? 無:全部機械と電動工具で仕事するんだよ。研ぎはもちろんグラインダーで、研ぎ屋に出すんだから凄い! 学:自分で研がないんだ? 無:研いでいる人はほとんどいない。でも最近では日本の替え刃式鋸を使う人も出てきたよ。 |
学:何処で手に入れたんだろう? 無:ヨーロッパに出稼ぎに行った時に購入するらしいよ。日本の鋸は切れるからね。 学:でもこっちの鋸は押して使うから使いにくいだろうにね? 無:いやあ、ほとんどの人が電動工具しか使ったことないから、上手く日本の鋸も挽いて使ってるよ。 学:でも替え刃はどうしてるの? 無:それでうちに来て「どうやって研ぐのか?」と聞くんだよね。困っちゃうよ。うちでは替え刃式の鋸はあまり使わないからね。 |
学:替え刃式でも結構切れるだろう? 無:こっちの鋸と比べたら「雲泥の差」だね。凄く切れるよ。でも昔の鋸の方が手に馴染むし、研ぎやすいから親父に貰った鋸を使ってるね。 学:日本の鋸は確かに使いやすいけど、挽くからかなあ? 無:きっとそうだね。「挽く」方が楽だしね。日本の鋸は柄に近い方が先より厚くかつ、刃より上の方が少し厚い。挽きやすいようによく考えてるね。 学:押す方の鋸はどう? 無:体力つけるのにはいいかも。そんな感じ。使いにくいよ。こっちの人は大きいからね(☺)(つづく) |
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